やさしい介護学

12年間の介護職体験談と今伝えたいことを思いのままに綴ります。

ベッドを最低床にして立てないようにすることは身体拘束にあたるのか検証してみました

離床センサーの存在

 認知症の方の介護をするうえで最も困ることの一つが【ADL超えた動き】あるいは【ADLを無視した動き】をされた時の対応だと思います。

 

 例えば、下肢筋力が低下して安定した歩行ができないにもかかわらず、歩いてトイレに行こうとされたり、骨折後、骨折していることを忘れて歩こうとされることがあります。そうすると、当然転倒のリスクは高くなりますし、大きな事故につながることも考えられます。

 

 日中だと、必要なスタッフの人数は揃っているでしょうし、レクリエーションや食事などで居室から出て来られる機会が多いため、目が届きやすいのですが、問題は夜間です!スタッフが少ない上に、各居室で過ごされるため、目が届きにくくなります。

 

 ナースコールで要件や要望をを知らせてくれたら問題ないのですが、認知症の方ですとご自身のADLのレベルを把握していない方が多く、ナースコールを押さずにトイレに行こうとされるため、転倒や大きな事故になることがあります。

 

そこで大活躍するのが【離床センサー】です。

 

離床センサーの種類

まず離床センサーとは?使用する目的は?

【ベッドからの転倒・転落・徘徊などによる事故を予防するために使用する機器であり、利用者の安全を確保するためのもの】です。

 

①センサーマット

当施設でも一番利用されている基本的なタイプと言えるでしょう!

ベッド横に設置するタイプのものです。座って立ち上がろうと床に敷いたセンサーマットに重心を掛けると、ナースコールなどを通じて知らせしてくれます。

 

サイズは大きいもので1m✖1mくらいのものから、15cm✖30cm程の小さいものまであります。

 

最近はコードレスのセンサーマットがあり、配線の問題はありませんが、古いセンサーマットになると、配線が床を這って引っかかることがあり、少し注意が必要です!

 

②離床センサー内蔵ベッド

センサーマットがベッドに内蔵されており、起き上がると同時にナースコールなどを通じて知らせてくれます。ベッド周りにコードや機器がないので、スッキリしています。

 

また、寝返りや端座位など反応しないように設定できるので、誤報はほとんどありません。

 

 デメリットは、体重が軽すぎる方は反応しないことがあり、使用できないことがありました。

 

③うーご君(クリップで挟むタイプ)

上半身(または下半身)に取り付けるタイプです。利用者さんが起き上がると、プレートが本体から外れ、ナースコールへ知らせてくれます。ON OFFのスイッチがあり、不使用時はOFFにしておくとプレートが抜けても鳴らないように設定できます。

 

器械が小さく設置が簡単で場所を取りません。

 

 当施設では、センサーマットが反応してから訪室しても、すでに立ち上がっている方など動きが素早い方に使用しています。

 

デメリットは、体動が激しいとすぐにプレートから外れてしまい、誤報につながることです。

 

④光センサー

人の動きに反応するタイプのセンサーです。徘徊癖のある方やセンサーマットが気になる方などに使用しています。

メリットは設置に自由度があり、カバーできる対象が広いことでしょう!

 

デメリットは、反応すると鳴り続けるので、設置場所、設置角度などが難しいことがあります。

 

離床センサーは身体拘束にあたるのか?

よく問題になりますよね!

 

 目的は、利用者さんや患者さんの安全を確保するためのものですが、例えば、夜間にセンサーマットが発報し、光センサーが反応し、うーご君が発報し、ナースコールが鳴るという地獄絵図のような状況が起こったりします。本当にセンサーマットって、連動する時ってあるんですよ!

 

そんな時は、転倒のリスクの高い人から介助に入ることになります。低い方は半強制的に待ってもらうようにお願いして回ります。たぶんそんな時の僕の顔は、穏やかではない表情なのかもしれません(笑)!こんな状況の時は、行動や欲求を抑制しているとみなされ、身体拘束にあたるのでしょうか?

 

未だに答えが出ない、難しい問題ですね!

 

ベッドを最低床にして立てないようにすることは身体拘束にあたるのか?

この件も、議論の対象になりました!

 

 ある利用者さんの例ですが、転倒のリスクが高い方で、センサーマットは敷いているのですが、センサー発報後、訪室するとすでに立って歩こうとされていた事が何度もありました。

そこで少しでも時間稼ぎができないか検討した結果、ベッドを最低床にして立ちにくい環境をつくることにしたのです。そうすることで、安全にトイレ誘導できていたからです。

「でもこれって、身体拘束にならないの?」という意見が出たため、検討した結果、

身体拘束になる、という結論になりました。

 

理由は、【ケアスタッフがやりやすい、楽ができるという目的で利用者さんの行動を抑制してしまうと、利用者の残存能力を阻害し、また尊厳を損なう行為に当たる】ということになりました。

 

その結果、ベッドから立ち上がりやすい高さの位置にベッドを調整し、転倒リスクは上がりましたが・・・正直、これってどうなの???っと感じています!

 

これも正解かどうかわかりませんが、考えさせられた事例でした。

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