やさしい介護学

12年間の介護職体験談を思いのままに綴ります。

発達障害のスタッフから教えてもらった大切な事

障害者雇用促進法

 いきなりお堅い話になりますが(>_<)、国の障害者の雇用対策として、

【障害のある人が障害のない人と同様、その能力と適正に応じた雇用の場に就き、地域で自立した生活を送ることができるような社会の実現を目指し、障害のある人の雇用対策を総合的に推進しています】

 

とあります。その具体的な厚生労働省の施策とは、

【障害者の就労意欲は近年急速に高まっており、障害者が職業を通じ、誇りをもって自立した生活を送ることができるよう、障害者雇用対策を進めています。

 

 障害者雇用対策として、障害者雇用促進法において、まず企業に対し、雇用する労働者の2.0%に相当する障害者を雇用することを義務付けています。(障害者雇用率制度)。

 

 これを満たさない企業からは納付金を徴収しており、この納付金をもとに雇用義務数より多く障害者を雇用する企業に対して調整金を支払ったり、障害者を雇用するために必要な施設設備費等に助成したりしています(障害者雇用納付金制度)。

 

 また、障害者本人に対しては、職業訓練や職業紹介、職業適応援助者等の職業リハビリテーションを実施し、それぞれの障害特性に応じてきめ細かな支援がなされるよう配慮しています。】とあります。

 

業務内容は?

 少し前置きが長くなりましたが、上記の理由から今僕が勤めている有老も、例にもれず、各フロアーに発達障害のスタッフが必ず1名います。仕事内容は、食事介助、入浴介助、排泄介助など利用者の身体に直接触れることや直接援助に関わること以外の業務はほとんどやります。

 

 例えば、

①ダイニングのお仕事・・・配膳・下膳、食器洗い、拭き掃除、食事の準備・食後のあとかたずけなど

 

②掃除・・・利用者の衣類の洗濯・乾燥・収納、お部屋の掃除、車椅子・歩行器・ポータブルトイレなどの福祉用具の掃除

 

③ベッドメイキング・・・週に1~2回、シーツ・包布・枕カバーの交換

 

 ざ~っと書きましたが、大きく分けてこんな感じの業務だったと思います。それ以外に、衣服が破れた時など、器用に縫製作業をしてくれたり、ゆるゆるのズボンのゴム交換をしてくれたり、ボタン付けなんかもしてくれます。

 

特徴は?

 発達障害といえども、共通して言えることは、皆本当にまじめに一生懸命働きます。少し雑だったり遅かったりすることはありますが、皆さん心がピュアというか、真っすぐというか、自分の仕事に誇りをもって頑張っているところです。

 

 そういう彼女たちを見ていると普通の人と何ら変わらないようなんですが、ただ、一緒に働いていくうちに少しずつですが、「ん~っ、こういうところが障害なのかな???」と感じることがあります。

 

 例えば・・・①コミュニケーションがうまくとれない時がある

      ②空気が読めない時がある

      ③感情の起伏が激しい時がある

 

 上記の①~③を見ていただくとわかるように、障害のない人も同じような事ってありますよね!なので、発達障害と言われるまで、気付かないなんてことも充分あり得ると思ってます。

 

 また、発達障害のある方の特性や症状の程度も、1人ひとり異なるため、上記の①~③の特性が必ずしもすべての人に当てはまるわけではありませんが、一緒に働いているうちに「あっ、こういうところを気を付けていけば、うまく付き合えるのでは?」と思えるような事がだんだんとわかってきたように思います。

 

 一緒に接していて、最も感じる部分は【こころがとても繊細】なところです。僕は【ガラスのハート】と呼んでいます(笑)!とにかくピュアーで繊細なので、ちょっとした一言で傷ついてしまうことがあるんですね!こちらとしては、ちょっと注意した程度だと思っていたのに、【人格を全否定された】かのように受け止めてしまうことが何度かありました(笑)!

 

プチ事件発生!

  そんな中、【心がピュア】ゆえの?小さな事件?がありました。

 

 ある日、発達障害のスタッフがダイニングのテーブルを拭き終わった後、ある女性スタッフに、「ちょっとテーブルのこの辺まだ汚れているから、ちゃんと拭いとてくれる?」と、注意を受けました。

 

 女性スタッフは特に怒った様子はなく、純粋に【汚れているから拭いてね~】と、注意しただけのようだったのですが、発達障害のスタッフは人格を否定されたかのようにひどく叱られたと思いこんだようで、ショックのあまり、体調不良を理由に、家に帰ってしまいました。

 

 我々スタッフは、明日くるのだろうか?ショックを受けてもう働けないんじゃないか?このまま辞めちゃうんじゃないか?と心配していました。

 

 翌日どうなったと思います?彼女は普通に元気よく出勤してきました。そして、次に取った行動に僕は度肝を抜かれました(笑)!それは・・・?

 

彼女が取った解決方法!

昨日注意された女性スタッフの側へ行き、一言!

 

発達障害のスタッフ:「昨日、〇〇さん怖かったです!叱られて、怖くて、昨日はもう働けませんでした。私、〇〇さん好きなのに、ショックでした。でも、今日からは注意されたことを守って、頑張りますから、よろしくお願いします。」

 

注意した女性スタッフ「ごめ~ん!怒ってないよ!悪気はないし!そんなふうに聞こえてたの???ほんとに怒ってないし!ごめんね、ごめんね!」

 

はい、解決(笑)! 終了(笑)!

 

 本当に見ていて気持ちよかったです!こういう解決法もあるんだ~って、本当に感心させられたプチ事件でした(笑)!彼女は自分の否をきちんと受け入れつつ、相手の女性の言葉に傷ついたことを本人に直接自分の言葉で伝え、なおかつ相手の女性は自分の否をすなおに受け止め、さらにだ~れも傷つけずに解決してしまった!!!まさにあっぱれでした!!!

 

 僕個人の意見ですが、年を重ねるごとに、人から注意を受けると、他の要因を探し、何とか自分を正当化し、自分は悪くない方向へと考えたりします。その後、せっかく注意してくれたにも関わらず、自分を理解していないと思い込み、恨んだり、妬んだり、嫉妬したり、不平不満を言ったりすることがあります。

 

 そんな自分に対して、本当に呪いたくなるような、恥ずかしいプチ事件でした。彼女が取った解決方法は正しいかどうかはわかりませんが、僕にとって、大切なことを教えてもらったような気がします。

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