やさしい介護学

12年間の介護職体験談を思いのままに綴ります。

初めて利用者さんを見送った時の話

夜勤2回目の時の出来事

 老人保健施設で働き始めて、夜勤2回目で経験した時のお話しです。

16:30の申し送りを受けた時のこと、リーダー看護師より、「〇〇さんが急変し、モニターを付けているので、注意してください。ご家族には連絡しました。今こちらに向かっています」とのこと。

 

 申し送り後、〇〇さんの部屋へ訪室すると、ベッドサイドに小さなモニターが設置され、身体にペタペタとセンサーらしきものが貼られ、口には酸素マスクが掛けられていました。

 

 初めて見る器械だったので、看護師さんに簡単に説明していただきました。血圧、心拍数、呼吸数、SPO2(酸素飽和度)が一目でわかるように表示されていて、異常があればアラームが鳴るので、すぐに様子を見に行くように指示を受けました。

 

 【ということは、いつ亡くなってもおかしくない状況ってこと???】

 

 今まで勤務中に利用者さんが亡くなられたことはなかったので、とても緊張しました。もし亡くなられたら、何をやっていいのか全く聞いていなかったので、先輩介護士に対応方法を聞くと、「ああっ、その時指示するから!」とあっさりかわされました💦

 

 勤務が始まっても、〇〇さんが気になって、特に用事もないのに様子を見に行ってました。先程教わったモニターをのぞき込んで、現状を把握するつもりではありましたが、正直あまり理解できてませんでした・・・💦

 

 夕方にご家族が到着し、看護師より現状の報告を受けると「覚悟は出来ております。今日はここで見守りたいと思います。」とのこと。その時はかろうじてい意識はありましたが会話はできない状態でした。

 

 ご家族さんは〇〇さんの手を握りながら何か語り掛けています。気のせいかもしれませんが、〇〇さんの表情が少し穏やかになったようにも見えました。そこには、目に見えない何かがあるのでしょうか?家族には感じる絆?のようなものがあるように感じました。

 

アラームが鳴り響く

 夜間0時過ぎ、静かな病室にアラームが鳴り響きます。訪室すると、血圧が低下しており、脈拍も落ちている様子が伺えました。呼吸は浅く、肩呼吸になり苦しそうです。その様子をご家族は手を握りながらじ~っと見つめています。「大丈夫です。何かあったらすぐに呼びますから・・・」と言われ、我々スタッフに気を使ってくださいました。

 

 それから数分後、ナースコールが鳴りました。〇〇さんの部屋からです。すぐに訪室すると、ご家族より「今呼吸が止まりました」と涙を流しながら、報告して下さいました。

 

 呼吸停止の報告を受けると、看護師はすぐに当直のドクターを呼び、〇〇さんの状態(モニターの数値を確認後、脈と瞳孔を見ていたと思います・・・)を診断後、死亡が確認されました。

 

 1か月程お世話した利用者さんが亡くなり、不思議な気持ちになりました。僕にとっては肉親でも友人でもなく、数回排泄介助や食事介助、入浴介助のお世話をした方なのですが、特別悲しいという感情はなく、涙が出るわけでもなく、とは言うものの、1人の人間の死を目の前にしてどうすることもできない自分がいました。

 

【この変な感情は一体どこからくるのだろうか???】

 

 初めて経験するなんだかもやもやした感情を抱きながら、先輩看護師と介護士は【エンゼルケア(化粧を施したり、闘病の傷跡や傷口をカバーしたりする死後処置の事)を行うため、僕は他の利用者の対応をすることになりました。

 

 エンゼルケアが終わったころ、施設の裏口から早くも葬儀屋さんがお迎えに来ていました。死後しばらくして、看護師がご家族と相談していたのは、このことだったと後から知りました。

 

 霊柩車で運ばれる最期のお見送りの後、我々スタッフは、〇〇さんの部屋のかたずけをして、いつもと変わらない普段の夜勤の再開です。ただ、今までかいたことのない汗をいっぱいかきました💦

 

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