やさしい介護学

12年間の介護職体験談を思いのままに綴ります。

入浴中に溺れているおじいさんを救出した話

大の銭湯嫌いだった過去!

 僕は大が付くほどの銭湯が好きです(笑)!暇があれば、近くの銭湯はもちろんですが、少し遠いところになると、愛車のリトルカブ(原付バイク)で、ひとっ走りします(笑)!

 

 温泉も大好きですが、銭湯の方が色んな種類のお風呂があり、長時間飽きることなく楽しめるので、銭湯に行く方が多いですね!

 

 そんな銭湯バカの僕ですが、昔から銭湯が好きだったかというと、そうではありません!実は嫌いでした。子供の頃、家にお風呂がなく、高校2年まで銭湯通いしていたという過去があり、その頃の銭湯のイメージはというと、

 

銭湯→家に風呂がない→貧乏

 

 という世間一般の概念があったように思います。家に風呂がないというコンプレックスからきていたかもしれませんが、裕福ではなかったことは事実でしたので、まんざら勘違いではなかったように思います。なので、銭湯に行くこと=貧乏であるという視線を感じながら通っていたので、それほど良い思い出はありませんでした。

 

  しかし、今になって狭いお風呂よりも、子供の頃から慣れ親しんだ大きなお風呂の銭湯がたまらなく恋しくなり、いつの間にか月に数回通うようになりました(笑)!お風呂好きの説明はこれぐらいにして・・・(笑)!

 

横のおじいさんが・・・

 銭湯は、今も昔も、やっぱりおじいさんおばあさんが多いですね!特に冬は体の芯まで温まるので、最高に気持ちいいこと間違いありません。ただ、銭湯に通っていると、年に数回、救急車で搬送される高齢者を見かけます。

 

 ある夏の日の出来事です。いつものように愛車のリトルカブで近くの銭湯に出かけた時のこと。時は昼過ぎ、浴場は数人のお客さんがいました。身体を洗って一番大きな湯船に浸かっていると、僕の横に細~いおじいさんが入ってきました。いつもの穏やかな光景です。

 

 しかししばらくすると、横のおじいさんがぴくぴくと震えだし、痙攣し始めました。そして意識を失ったかと思うと、ブクブクと湯船に沈んでいくではありませんか!!!  

 

 おじいさんの頭が沈んで見えなくなると同時に、これはまずいと思い、その瞬間身体を引き上げ、まずは呼吸確保!すぐさま近くのおじさんを呼びつけ、「意識失っているので、一緒に湯船から出してください!」とお願いし、男2人で何とか湯船から引き上げました💦💦💦 おじいさんと言っても、 めちゃくちゃ重い!!!

 

 その後スタッフを呼び、救急車を呼んだもらい、その間、浴室は熱いので脱衣所まで数人で持ち上げて運び出し、救急車を待っていました。

 

 救急車が到着するとほぼ同時に、さっきまでぐったりしていたおじいさんがむくっと起きだして、風呂に入ろうとするではありませんか!!!それを見たスタッフは、「おじいさん、さっきまで気を失ってたの覚えてる???救急車が来たから今日は検査してもらい!」と説得していますが、本人は入ろうとしています(笑)!救急隊員の方にも説得していましたが、頑として受け入れません! 

 

 結局は風呂に入らず、救急車にも搬送されず、そのまま帰宅していました(笑)!ま~、無事でよかったですけど・・・(笑)!

 

高齢者の入浴事故

 施設でも、入浴中に、何度か危ない現場を見てきました。一番多かったのが【意識喪失】です。注意点として、

●血圧の変動

→【浴室】と【脱衣所】の温度差が大きいと血圧が変動しやすいため、特に冬は浴室を充分温めてから、入浴する必要があります。

 

●入浴時間と湯船の温度

→適温は、38度~40度。入浴時間は10分程度が良いと言われています。

 

●なんといっても、その日の体調優先で!

→利用者さんによって、抱えている持病が様々なので、その日の体調をよく観察し、体調がすぐれない時は無理して入浴しない方がいいですね。

 

 

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初めて利用者さんを見送った時の話

夜勤2回目の時の出来事

 老人保健施設で働き始めて、夜勤2回目で経験した時のお話しです。

16:30の申し送りを受けた時のこと、リーダー看護師より、「〇〇さんが急変し、モニターを付けているので、注意してください。ご家族には連絡しました。今こちらに向かっています」とのこと。

 

 申し送り後、〇〇さんの部屋へ訪室すると、ベッドサイドに小さなモニターが設置され、身体にペタペタとセンサーらしきものが貼られ、口には酸素マスクが掛けられていました。

 

 初めて見る器械だったので、看護師さんに簡単に説明していただきました。血圧、心拍数、呼吸数、SPO2(酸素飽和度)が一目でわかるように表示されていて、異常があればアラームが鳴るので、すぐに様子を見に行くように指示を受けました。

 

 【ということは、いつ亡くなってもおかしくない状況ってこと???】

 

 今まで勤務中に利用者さんが亡くなられたことはなかったので、とても緊張しました。もし亡くなられたら、何をやっていいのか全く聞いていなかったので、先輩介護士に対応方法を聞くと、「ああっ、その時指示するから!」とあっさりかわされました💦

 

 勤務が始まっても、〇〇さんが気になって、特に用事もないのに様子を見に行ってました。先程教わったモニターをのぞき込んで、現状を把握するつもりではありましたが、正直あまり理解できてませんでした・・・💦

 

 夕方にご家族が到着し、看護師より現状の報告を受けると「覚悟は出来ております。今日はここで見守りたいと思います。」とのこと。その時はかろうじてい意識はありましたが会話はできない状態でした。

 

 ご家族さんは〇〇さんの手を握りながら何か語り掛けています。気のせいかもしれませんが、〇〇さんの表情が少し穏やかになったようにも見えました。そこには、目に見えない何かがあるのでしょうか?家族には感じる絆?のようなものがあるように感じました。

 

アラームが鳴り響く

 夜間0時過ぎ、静かな病室にアラームが鳴り響きます。訪室すると、血圧が低下しており、脈拍も落ちている様子が伺えました。呼吸は浅く、肩呼吸になり苦しそうです。その様子をご家族は手を握りながらじ~っと見つめています。「大丈夫です。何かあったらすぐに呼びますから・・・」と言われ、我々スタッフに気を使ってくださいました。

 

 それから数分後、ナースコールが鳴りました。〇〇さんの部屋からです。すぐに訪室すると、ご家族より「今呼吸が止まりました」と涙を流しながら、報告して下さいました。

 

 呼吸停止の報告を受けると、看護師はすぐに当直のドクターを呼び、〇〇さんの状態(モニターの数値を確認後、脈と瞳孔を見ていたと思います・・・)を診断後、死亡が確認されました。

 

 1か月程お世話した利用者さんが亡くなり、不思議な気持ちになりました。僕にとっては肉親でも友人でもなく、数回排泄介助や食事介助、入浴介助のお世話をした方なのですが、特別悲しいという感情はなく、涙が出るわけでもなく、とは言うものの、1人の人間の死を目の前にしてどうすることもできない自分がいました。

 

【この変な感情は一体どこからくるのだろうか???】

 

 初めて経験するなんだかもやもやした感情を抱きながら、先輩看護師と介護士は【エンゼルケア(化粧を施したり、闘病の傷跡や傷口をカバーしたりする死後処置の事)を行うため、僕は他の利用者の対応をすることになりました。

 

 エンゼルケアが終わったころ、施設の裏口から早くも葬儀屋さんがお迎えに来ていました。死後しばらくして、看護師がご家族と相談していたのは、このことだったと後から知りました。

 

 霊柩車で運ばれる最期のお見送りの後、我々スタッフは、〇〇さんの部屋のかたずけをして、いつもと変わらない普段の夜勤の再開です。ただ、今までかいたことのない汗をいっぱいかきました💦

 

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入浴を拒む利用者さんに困った話

仮病を使う入居者

 極度のお風呂嫌いな女性の利用者がいました。

入浴日にお風呂へ案内しようとすると、毎回必ず【仮病】を使います(笑)!

「さっきから頭がくらくらして・・・」「朝から気分が悪くて・・・」等、さっきまでとても元気だったのに、入浴前に気分不良の訴えがある方でした。

 

 無理強いをすると、さらに拒否が強くなりますので、かなり気を使って誘導を試みるのですが、お連れしようとすると、奇声をあげて騒ぎ出したり、身の周りにあるものを投げつけたり、スタッフに暴行することもありました。

 

 お風呂が嫌いなことは熟知しているので、ご本人のお気持ちを汲み取りたい気持ちはありますが、さすがに1か月以上入らないとなると、衛生的に問題になりますし、他の利用者にも影響が出てくるので、スタッフが知恵を絞ってなんとか入るように説得にかかります(笑)!

 

●洋服だけでも着替えましょう!

●足浴だけでもしましょう!

●入浴後は、好きな飲み物を用意しますから!

●脱衣所は温かくしてますし、お風呂は快適な温度にしてますから、今がチャンスです!

等、色々試しました!

 

 その結果、成功するときもありますが、失敗するときの方が多いです(笑)!最後の手段は、3人がかりで多少強引にお連れしたこともあります。めちゃくちゃ怒ってましたが💦

 

 だがしか~しっ、お風呂に入ると、気持ちよく入浴され、入浴後は必ず「気持ちよかったよ!本当にありがとう!」って言うんです!じゃ~、さっきまでの強い拒否は何やったん???って言いたくなりますよ(笑)!

 

1年以上入浴を拒み続けた男性

 御歳100歳を超えている男性利用者さんがいるのですが、とにかく入浴が嫌いで、週3回のお風呂日に、毎回お誘いしても全く聞き入れてくれません。

 

「私は昔からお風呂に入ったことがありません!」が口癖で、

 

「じゃ~いつからお風呂に入ってないんですか?」と伺うと、

 

「子供の頃に入った記憶がある!」

 

???・・・ま~、どこまで本当かわかりませんが、とにかく1年以上風呂に入ってないことは確かです。ただ、不思議とほとんど臭いは気にはならなかったですね・・・。

 

 この方の場合は、説得できなかったので、服が汚れているので(本当に汚れていた)と言って、脱衣所までお連れして、その場で服を脱いでもらって、お風呂へ誘導すると、入っていただけました(笑)!まあ、ぶつぶつ文句は言ってましたけど・・・(笑)!

 

 だが、しか~しっ、(本日2回目)風呂に入ってら、すごく気持よさげに入るんですね!「せっかく久しぶりに入ったんだから、もうちょっと入らせて!」って、軽く15分は入ってますから!

それ以後、週1回は入るようになりました。その度に、

「せっかく久しぶりに入ったんだから、もうちょっと入らせて!」

って言います(笑)!

 

洗ったことを忘れている例

 逆にお風呂好きな方も当然います。一度入ると、30分は出てこない(笑)!

 

 ある男性の例ですが、洗髪後、洗身しますね。それから入浴になるはずなんですが、また洗髪します。その後また洗身、また洗髪という行為を繰り返していたんです。

でっっ、

 

「さっき頭洗いましたよ!」って伝えると

「洗っとらんわい!」って認めてくれないんです。そう、完全に洗ったことを忘れており、あたかも今日初めて洗うかのように2度目3度目の洗髪・洗身をしているのでした(笑)!

 

 30分くらいその繰り返しを続けていると、ようやく入浴(笑)!

しかも、入浴してからが長~い!後の方の順番もあるので、催促しても、完全に無視!

ゆでだこの様になってから、ようやく脱衣所へ向かうのでした(笑)。

 

 以上のように、人それぞれ【こだわり】というか【癖】というか、大なり小なりお持ちの方が多く、入浴の一側面を見るだけでも、その方の人生観、習性、性格など垣間見ることができます。なので、スタッフはその都度、臨機応変に対応しなければなりません。

 

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腰痛に絶対ならないと思っていたのに、なってしまった話

とうとう腰を痛めてしまった!

 全く根拠はありませんが、自分は絶対に腰を痛めない、腰痛持ちにはならない自信がありました(笑)!学生の頃、サッカーと陸上競技をやっていたこともあり、ある程度がっしりとはいかないまでも、そこそこ筋力はありましたし、多少ボディーメカニクスの知識はありましたので、腰痛とは無縁?であると思っていました。

 

 ボディーメカニクスとは、介助にかかる力を小さくするとでも言いましょうか?力任せに利用者を抱えたり、持ち上げたりせず、無理なく体の向きを変えたり、移動させることができるようにする技術の事ですが、持ち前の筋力と技術とで何とか腰を痛めずに6年間働いてきました。

 

7年目の差し掛かって・・・

 

 入浴介助をしていた時のことです。車いすに座っていた入居者を2人介助で座椅子式の入浴チェアーへ移乗しようとした際、1人は頭元、僕は足元を持ち、平行移乗しようとしていた時のことです。

 

 いつものように足元を持ち、そ~っと身体を持ち上げた時、何か【ゴキっ】いや、【ブチっ】というような感覚が腰のあたりに走り、それから何とも言えない違和感がもやもやと付いている感じが続きました。

 

 何が起こったかわからないまま、腰に違和感を感じながらも入浴介助をつづけていると、時間が経つにつれ、腰の周りに重~いおもりを付けているような感覚になり、痛みがだんだん出てきました。

 

 【これはいつもとは違う!これが腰痛???】

 腰痛を経験したことがなかったので、この痛みが腰痛なのかわからなかったのです。

 

 さらにしばらく時間が経つと、ほんの少し身体を動かしただけで、針を刺したかと思うような痛みが腰のあたりに感じるようになり、これ以上働けないと判断し、上司に報告すると、「帰宅する?デスクワークに切り替える?」と言われ、帰りたかったけど、あまりにも痛いので、少しデスクワークをしてから帰ることにしました。

 

 とにかく腰が曲がらない!体を動かすと、激痛が走るようになっていました。それでも何とか帰宅しなければなりません。

 

 帰宅順路は 施設→徒歩→バス→電車→徒歩→自宅 約1時間かかるのですが、一歩一歩足を前に出す事もままならない状態で、歩くのが精一杯な状況でした(笑)!

 

 でっ、どうやって治したかというと、自然に身を任せて完治!結局、病院や接骨院など医療に頼ることなく、自然に治しました(笑)!

 

 たまたま連休ということが幸し、体操、ストレッチ、軽い運動を2日間続けると、かなり改善し、1週間ほどで全く痛みは消えました。とにかく僕は、病院が嫌いで、歯医者以外は全くと言っていいほど行ってません!薬も飲みません!かなり変わったやつです(笑)!

 

その数年後に、違う痛みが?!

 一度は完治した腰痛でしたが、数年後にまた痛みが出てきました。ただ、以前感じた痛みではないのです。同じ姿勢を続けてから、身体を動かすと腰の奥?に痛みを感じるようになりました。

 

 例えば、電車で10分程立ったまま同じ姿勢でいると、腰に痛みを感じるのです。同じ姿勢で数分座っていても腰に痛みを感じるようになり、これはどうもおかしい?ひょっとして、骨に異常があるのでは?椎間板ヘルニアなんてこともありえるし・・・? 多少不安を感じたのですが、病院は嫌いなので、友人おすすめの接骨院で見てもらうことにしました(笑)!

 

腸腰筋に歪み!?

 はいっ、初めて聞きましたよ、【腸腰筋】って!インナーマッスルとも言われているようです。

大腰筋+腸骨筋=腸腰筋と言うそうです。腸腰筋が悪い状態になっていると、腰痛になるリスクがあるようです。僕はズレてる、って言われました。また、マッサージなどの外部からの刺激は届きにくいようです。

 

 3回ほど通いましたが、最初の10分は脚に電気マッサージを当てて、その後先生に矯正してもらうという治療法でした。腸腰筋が歪んでいるという原因がわかったので、後は独自に調べて、毎日ストレッチを行うと、腰痛はほぼ治りました。現在痛みはほとんどありません。

 

 賛否両論はあると思いますが、今回の腰痛に至っては、専門家の意見を参考にし、自分の身体と対話しながら、治療していきました。今のところ問題ないようです。

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動きったきり老人?に苦戦した話

寝たきり老人よりも大変な、動きったきり老人

 利用者さんには色々なタイプの方がおられます。軽度の認知症や障害を持たれた方はケアスタッフの介助をほとんど必要としない、自立型の方がおおいですね。介護度でいうと、要支援~要介護1・2くらいの方。こういう方は、コミュニケーションも特に問題なく取ることができます。

 

 逆に重度の障害や認知症状を患っている方は、スタッフの介助または介入の必要性が多くなってきます。寝たきりの利用者さんだと、食事、排泄、入浴だけでも相当な援助が必要になってきます。ただ、ある程度計画的に行動しやすいことが多いので、それほどストレスを感じることなく、ケアを行うことができます。

 

 今まで一番苦労?というか苦戦してきたタイプの利用者さんは【行動的認知症】とでも言いましょうか?とにかく寝たきりではなく、動きったきりのタイプです(勝手に作ったことばです(笑)!)。経験談を2つご紹介します。

 

夕方になると家に帰ると言い出す方の例

 上島さん(仮名)という80代のおじいさんは、夕方になると「もうそろそろ家に帰ります。」と言い、帰宅準備をして、出て行こうとする方がいました。色白で、とてもやさしくて、決して怒ったりしない物腰の柔らかい方でした。

 

 毎日にように帰宅願望の申し出がある方で、その都度スタッフが入れ代わり立ち代わり対応して「晩御飯を食べてからにしましょう!」「バスはもう終わったので、明日にしましょう!」など、なんとかその場をやり過ごしていました。その都度しぶしぶ納得してくれていましたが・・・。

 

 ある朝8時ごろ、ちょうど僕が夜勤明けの勤務中の出来事です。あるスタッフが絶叫!「上島さんが消えた!」全フロアを探してもいません。スタッフ全員でベランダ、食堂、浴室あらゆる所を探しまくりましたが、見当たりません!いよいよまさかの【無断外出】いやいや【脱走】といってもいいかもしれません!

 

 そんなことを考えていると、スタッフから1本の電話がありました。「今、上島さんと一緒にいます。出勤途中、駅に向かって歩いてるところを発見しました。今から一緒に施設に向かいます。」とのこと。何という幸運!胸をなでおろしました。

 

 その後、スタッフ間で、何故上島さんに帰宅願望があるのかを話し合った結果、今いる施設やスタッフに対して、

●落ち着くことができない

●自分が自分らしく生活できない

●自分の気持ちを受け止めてくれない

という意見が出ました。その後、なるべく否定的な言葉を使わずに、寄り添った言葉がけをすることで、少しづつですが、家へ帰りたいという言葉が減ってきました。

 

究極の睡眠障害の例

 寝ない方は困ります(笑)!睡眠障害の方には色々出合いましたが、たぶんこの方が振り切った状態でしょう?!

 

 長田さんという90代のかわいいおばあちゃんです。足が不自由で車椅子を使用する方で、いつもニコニコしており、何を言っても絶対に怒りません(笑)!「ハイハイ、わかりました。」がいつもの口癖です。そんなかわいい長田さんも、段々と認知症状が進んで行き、寝つきが悪くなってきました。

 

 高齢になると、若い時に比べて睡眠が浅くなったり夜中に目覚める回数が増えることはよくあると思いますが、高齢+認知症になると、寝つきが悪くなり、不眠になったりします。さらに、夜間に活動的になったりします。

 

 このようなことは介護施設ではよくある事なので、ある程度の対応策というかノーハウ?はあるので、当然色々試しました。

●日中の活動量、運動量を増やし、昼寝は極力避ける

●カフェイン入りの飲料は飲まない

●就寝環境を調える(室内温度、湿度、部屋の照明など・・・)

●アロマでリラックスしてもらう

●定期的に家族に来てもらい、精神的な不安を取り除く

 

 とにかくできることは全てと言ってもいいくらいやりましたが、全く効きませんでした。全くです。それどころか、日に日に悪化してきました。夜、ベッドへ誘導し、臥床を促すも、数分・・・いや、数秒でむくっと起きてきます。

 

 足が不自由なため車椅子ごと詰所でスタッフと過ごすことが多くなり、その間ず~っとスタッフにしゃべりかけてきます(笑)。「仕事中なので、少し静かにして下さい!」と言っても、数秒後には、しゃべりかけてきます。とにかく、24時間不眠でしゃべり続けるのです。長田さん本人も相当疲れていて気の毒に思いましたが、正直これには参りました!

最後の手段?!

 足が不自由ですが、立とうとするので、目が離せません。何度も転倒し骨折もしています。ですが、他にも利用者さんがいますので、付きっ切りにも限界があります。そこで、ドクターに相談すると、睡眠導入剤が処方されました。これで寝てくれるかな?と思いましたが、全く効かない(笑)!少しは寝るのですが、数分後にはむくっと起きてきます。もう万事休すか?と思いました。

 

 でっ、本当に寝ないので、長田さんの様子がおかしくなってきたんですね!表情は険しくなり、怒りっぽくなり、しゃべり続けるんですが、呂律が回らない、唾液を垂れ流しながらしゃべりつづけるようになり、これは本当に命にかかわるほど危険と判断され、最強の睡眠薬を処方されました。その結果どうなったと思いますか?

【2日間寝続けました!】

 2日間1回も起きずに、寝続けたんです。死ぬと思いましたよ(笑)!その後薬の微調整を行い、何とか夜に睡眠をとれるようになりましたが、ストレスを感じる事例でした。

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重い気持ちで書く【認知症】のこと!

介護職を始めたら、避けては通れない道

 今回は、認知症の事について書こうと思うのですが、認知症の事を考えると何故か心が重くなります(笑)!今まで色々と悩まされてきましたからね~(笑)!介護の現場では認知症の方と関わらざるをえませんから!

 

 認知症と一言でいっても、脳萎縮やら脳血管障害やらからきたりやら、ま~いろいろあって、その利用者の既往歴、性格、生活歴なども相まって、その方独自の認知症が存在するので、対応策が難しい事例がいっぱいありました。

 

 もちろん現在もどっぷり認知症の方との関わりは続いていますが、残念ながら、魔法のような特効薬は存在しません。なので個別に対応し、できるだけ楽しみながら?ケアライフを送っているというのが現状です。

 

 とっ、その前に、認知症の現状を見てみましょう!

 

認知症患者数って?

平成28年度版 高齢社会白書によると

2015年は、500万人 10年後の2025年には、700万人まで増加、僕がじいさんになる2050年は、1000万人を突破するとされ、この頃になると、周りには認知症の爺さん婆さんだらけという予測が立てられいます。

 

 東京の人口が1300万人なので、極めて恐ろしい数字であることが容易に理解できます。このまま年を取ると、自分が認知症になる確率は高いですし、なると思っていた方がいいでしょう。一番期待したいのは、この頃に【特効薬】が開発されていればいいのですが、確率的には半々と思っています。

 

 でも、このまま指を加えて認知症になるのを待つのは絶対に嫌ですし、何か対策を立てねばなりません。いわゆる、【認知症予防】【健康寿命を延ばす】という考え方が重要になってくると思います。予防法や健康寿命については、おいおいお伝えしようと思います。

 では次に、認知症の何が困るのか考えてみます!

 

認知症のとらえ方

 認知症にかかっても、軽く10年は生きます。そういう方といっぱい出合ったし、見てきました。もう一度言いますが、か~るく10年です!その間、徐々に認知機能が低下することが多く、様々な変化が起きてきます。

  

 初期、中期、後期と段階を追って、変化すると言われています。その段階ごとに、自分の現状をどうとらえ、受け入れてることができればいいのですが・・・難しいのが現状です。やはり、身近にいる人が、今どのレベルにいるのかを見極め、対応していく必要があるように思います。

 

人間学的視点

 また、介護の分野では、認知症を【人間学】という視点でとらえることもあります。年を重ねていくとともに、物忘れをすることが多くなってゆき、また今までできたことができなくなったりするなど、若いころの自分と重ね合わせ、【老い】と向き合わなければならない時が必ず訪れます。

 

 そんな【老いた】自分を受け入れることができればいいのですが、【自立した個人】こそが価値のある存在であると感じている方は、受け入れがたいでしょう。

 

自分の【老い】を受け入れることができない3つの【型】

●現実を受け入れがたいと、どうしても周りに暴言を吐いたり、時には暴力で訴えたりすることがあります。この時期を【葛藤型】

→社会的に地位の高い人、元教師や医師、一流企業などに勤めていた方がなりやすいとされています。いわゆるプライドの高い人ですね!

 

★対応策→プライドが満たされるような場面、例えば自分が社会に必要とされているとか、周りからありがとうとお礼を言ってもらえる機会を作ると良いようです。

 また、プライドが高いので、地位の高い人からの指示は受け入れやすとされています。今もこういうタイプの方は、ドクターや看護部長、施設長などに協力してもらっています。効果的ですよ!

 

●心の中だけで、若いころの自分に戻ってしまう【回帰型】

→昔に仕事や家事を頑張ってきた人や他人から頼りにされてきた方がなりやすいとされています。

★対応策→過去と現在を取り違えてしまっているため、その当時の役を演じると効果的です。役を演じきっていると、しばらくしたら落ち着くことが多いですね。

 

●現実から逃避して、自分だけの世界に引きこもる【遊離型】

→おとなしい人、素直な人、自己主張が少ない人がなりやすいとされています。暴力、暴言、徘徊といった問題行動があまり発展しないのもこの型の特徴です。

 ★対応策→自分の世界にどっぷりと浸かっていることが多いので、無理やり現実に引き戻そうとしてしまうと、かえって殻に閉じこもることがあるので、言葉がけがとても重要になってきます。

 この型のタイプは、気分転換がとても効果的なので、音楽療法、園芸療法、アクティビティーなど、少しでも楽しい時間を提供でき、笑顔が出れば、いい方向に向かう可能性が高くなると思います。

 

家族や利用者さんがどの【型】にいるかを考えてみるのも解決につながるかもしれません。

 

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疥癬、感染、大混乱!

疥癬(かいせん)が集団感染に発展した話

 老人保健施設で働き始めて3年を過ぎた頃のお話しです。いつものように利用者さんの清拭を行っている時、4人部屋に入院しているある利用者さんの身体に、発疹ができていることに気づきました。

 

 体に発疹ができることは日常的によくあることだったので、いつものようにオイラックスという痒みに効く軟膏を塗っていたのですが、どうも痒みが治まる様子はなく、日に日に発疹部分の面積が広がり、かゆみの程度も増しているようでした。

 

 さすがにこれはおかししということで、詳しく検査をしてもらったところ、【疥癬】に感染していることが判明したのです。

 

 【疥癬】に感染していることが判明するとすぐに、他の利用者に感染しないよう1人部屋に隔離し、予防対策を行ったのですが、時すでに遅し、数日後、4人部屋にいた他の3人にも感染していたことが判明しました。

 

 更にさらに、その数日後、感染の勢いは治まらず、60人いた患者さんの約半分に当たる、30人まで感染が拡大してしまったのです!

 

 では、【疥癬】とは、いったいどのような感染症なのでしょうか?

 

疥癬とは?

 疥癬とは、【ヒゼンダニ】という肉眼では見えない0.4mm程の小さなダニの感染によって、発疹やかゆみがみられる疾患です。

 

 ヒゼンダニは、人の皮膚の角質層に寄生し、卵を産み付け、約1~2か月の潜伏期間を経て、腋下やお腹の周辺、陰部などに発疹が現れます。吸血性ではありません。

 

 特徴としては、とにかく我慢できないほどかゆみが強く、また指の間に【疥癬トンネル】と呼ばれる細長い線上のぶつぶつが現れます。これは、角質を餌にして角質内でどんどんヒゼンダニが増えている状態です。

 

感染経路は?

 最初に疥癬が発覚した方は、入院間もない方だったので、入院後に発症し、看護師・介護士が媒介者となった可能性があります。

1か月間の対応

 30人も感染してしまったので、その後の対応、対策がとにかく大変でした。ざっと、まとめると!

 

①30人を隔離する

2~4人部屋を数部屋用意し(なるべく端っこの部屋)、感染患者を隔離し、治療中は面会も制限していました。また、入室する際、専用のエプロンを着用し入室していました。ベッド、床頭台、私物の荷物など、全部移動しなければならないので、かなりの大移動でした!

 

②毎日入浴

入浴する約1時間前、首から下全身、べっとべとに【ダニを殺す薬】を塗布し、シャワー浴を実施し、入浴後、かゆみ止めの薬をこれまたべっとべとに塗布していました。感染者は午前中に集中し、午後は一般の方が入浴するなどして、感染者がこれ以上出ないよう防止策を立てながらの実施となりました。

 

③毎日リネン交換

シーツ、包布、枕カバー、衣類全て、毎日交換していました。当然感染症扱いになるので、ビニール袋に入れて、一般のリネン類とは区別していました。

 

④毎日そうじ

ピューラックスという、塩素系の殺菌消毒剤を使用し、病室の床、ベッド周り等を毎日清掃。

 

以上の対応を約1か月続けた結果、見事に疥癬はなくなりました。とにかくしんどかった!

 

約1か月の間、利用者さんは、本当に苦しかったと思います。とにかく強烈に痒いようで、中には血が噴き出るまで掻きむしる方もいたほどです。

 

しかししかし、これだけでは終わらなかったのです。

 

スタッフが感染してしまった!!!

 集団感染が落ち着こうとしていた時、スタッフの3名が感染してしまったのです。

 

 我々スタッフは当然感染しないよう、細心の注意を払い対応していたのですが、やはり入浴の時や移乗の時などに、どうしても利用者さんの肌に触れることや、脱いで間もない衣類に触れることがあるため、感染リスク0%に抑えることは不可能に近いのです。

 

 更に、そのスタッフの1人が、子供とご主人にまで感染してしまったのです。本当に気の毒でした。患者さんのために一生懸命に働いた結果、スタッフの家族にまで被害に及んだ今回の集団感染。精神的にも肉体的にも、本当に大変な1か月でした。

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